空と君とダイヤモンドと
「だから俺にしろって言ってんのに」



ワカに頭を叩かれる。



「もうっ」


「俺なら瑛梨奈のこと泣かせねーのに。お前バカだな!」



…そうだね。
ワカはいつだってあたしのことを考えてくれる。

こんなときだって、塁くんのことを忘れられないあたしは大バカなのかもしれない。



「ワカのこと好きになれたらきっと幸せなんだろうな」


「おう!俺なら大事にするぞー?」



ワカの笑顔に何度も救われた。
でも、あたしの心をかっさらっていく笑顔は全然別の笑顔で。
どうしてなのかはわからない。
たぶんワカのほうがかっこいいのに。



「俺のほうがかっこいいはずなのになー?」


「自分で言うなっ」



考えてることが同じでつい笑ってしまう。



「なんで笑ってんだよ!」



ワカにばこーんっとカバンで背中を叩かれる。



「ワカのほうがかっこいいのになーってあたしも思ってたとこだから」


「それ反則」



ワカがゆでダコみたいな顔になる。



「ぜってー振り向かせる!」



なんてあたしを指さして宣言しちゃってるし。

そんな日がきたら楽しいんだろうなぁ。

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