金木犀の季節に
第一楽章




ーー第一楽章ーー





教室の外のメタセコイアが風に揺れていた。
葉が落ち始めたその木の向こう側の空は虚しいくらいに青い。

十月もほとんど終わりに差し掛かった火曜日のお昼すぎ。
修学旅行を二週間後に控え、学年中が浮き足立っているような気がする。

……もちろん、私も含めて。


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