金木犀の季節に



帰り道。
私たち六人の会話はやけに弾んだ。

そのなかのほとんどは、悪口。

よく、敵ができると人間は団結する、というけれど、本当のことだと思う。

「怒鳴られたときのみほ面白くなかった?」
「それな!」

正直、気分が良かった。

しかし、なぜだろう。

同時に全身の血管が、気味悪く脈打つのも感じた。


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