金木犀の季節に
「あはは」
なぜだか、その優しさがくすぐったくて、今度は笑いが勝手に溢れてきた。
「奏汰さんって面白いですね」
「え、今」
奏汰さんがフリーズした。
「ごめんなさい!」
嫌われてしまったら、どうしよう。
「馬鹿にしたわけじゃないんです。
今日はあんまり気分が良くなくて……。
でも、奏汰さんと話したら元気が出たからすごいなって」
息継ぎをしないで言い切った。
必死になりすぎたかもしれない。
……引かれていたらどうしよう。