金木犀の季節に





信じられない。


特攻隊とは、生還の見込みが低い決死の攻撃、もしくは戦死を前提とした必死の攻撃をする部隊のことで、日本でも太平洋戦争のときに存在した、と社会の授業で習った。

しかし、七十一年前にその戦争はポツダム宣言を受諾して終わったし、今、日本で戦争は起きていない。

「もしかして、お互いに生きてる時代が違ったりして……」
そんなこと、あるわけがない。
漫画じゃ、ないんだから……。
それじゃあ、どうして?
もしもこれが嘘なのなら、なんで私を見つめる奏汰さんの瞳は震えているの?


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