君に愛されて..
〜高校二年三月〜
偶然なことに、卒業式は先輩の誕生日だった
この日が私の全ての時間をストップさせることになる
『仰げば〜〜尊し〜〜我が師の恩〜〜』
今日で先輩たち、お別れなんだ
ひろくんだけじゃなくて、お世話になった先輩は沢山いる
部活の先輩をはじめ、委員会やプライベートで仲良くしてもらった人もいた
「寂しいね」
式典で隣の席の萌奈ちゃんが言ってきた
「寂しい..」
「ちょ、優梨、泣くほど寂しいの?」
はい、っとハンカチを渡してくれた彼女
「ありがと..」
泣いてるなんて気付かなかった
先輩、ご卒業おめでとうございます
今日くらい、最後くらいワガママさせてくださいね