【完】蜂蜜色のヒーロー。
ドタバタと下へ降りていくと、お皿の片付けをしていたお母さんが「どこ行くの!?」と驚いた。
「い、今から、御津くんがそこまで来てくれる、から……っ」
「そうなの? こんな時間に?」
「ごめん……っ、ちょっと出るね」
外へ出ると、まだ御津くんは来ていなくて、いつもここまで送ったあとに御津くんが踵を返す方向へ向かった。
しばらくして、息を切らして走ってきてくれる御津くんと会うことができて、そのまま勢いで、むぎゅっと抱きしめられたかと思えば。
「……バカじゃねえの。なんでこんな遅くにここまで歩いてくるわけ」
と暴言を吐かれた。