【完】蜂蜜色のヒーロー。


……ううん、そうじゃないよね。


こんな遅くにひとりで外に出てきたら、危ないだろって言いたいんだって、ちゃんとわかってる。


本当は、見えない思いやりで、もう夜の10時になろうとしているのに、わざわざ私を迎えに来てくれたんだよね。



私が、電話越しに泣いていたから、ひとりで苦しまないように。


私を救いに来てくれたんだよね?



「ごめん……ごめんね…っ」



御津くんに会えた安心からなのか、止まっていた涙がぶわっと溢れてきて、また泣いてしまって。


迷惑かける、ってわかってたけど、それを止めることは、できなかった。

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