【完】蜂蜜色のヒーロー。
「……俺さ、妃莉が好きって言ったじゃん」
「うん……?」
「だから、好きな子がひとりで泣いてるのは、俺としても辛い」
……ごめんなさい、と私が思わず謝ると御津くんは、弱い力で私の背中を軽く叩いて、「そうじゃねぇ」と否定する。
「いつでも頼れよ、ってこと」
「……ありがとう」
「好きだよ、妃莉」
なんでここで言うかな!? と焦る私に御津くんは、ふっと小さく笑った……気がした。
暗い道だったから、よく見えなかったけど、気配では笑っていたような感じがした。