【完】蜂蜜色のヒーロー。
彼女がいないとか、彼女はひとりだけ、なんてもってのほかで、最低でも5、6人の恋人たちがいた。
そんな彼のことは、別にどうとも思っていなかったし、チャラいんだなー、ぐらいの認識だったと思う。
そんな彼の“罰ゲーム”の標的にされた私は、まんまと彼の手の上で弄ばれるようになった。
それはただの、偶然。
たまたま私がそこにいたから、というような理由から私が標的になっただけだったけど、それが運の尽き。
当時、男子たちの間で、なにかしらのゲームに負けたひとは、ひとりの女子に“騙コク”と呼ばれる、嘘の告白をすることが流行っていた。
『俺……壱月さんのことが好きなんだ。ちゃんと、女遊びもやめるから、付き合ってほしい』
『えっ……ご、ごめんなさい』