【完】蜂蜜色のヒーロー。
それが、“騙コク”と呼ばれるものだとも知らずに、学校いちの人気を誇る長谷川くんの告白を、断って。
それが彼の中のプライドに火をつけた。
長谷川くんは裏で手を回して、『長谷川くんの告白を断った身の程知らずの女』として、自分の取り巻きの女の子たちに、事情を説明して、私をいじめさせた。
そして、私が長谷川くんに惚れるように、そのいじめを彼が助ける───というのが、彼のシナリオで、それにまんまと引っかかった私は。
彼と付き合うことにした。
けれど長谷川くんは、ハグやキスどころか、手すらつながなかった。