【完】蜂蜜色のヒーロー。
私がさりげなく手を回すと、さっと避けられて、デートしようとすると、その日は用があると言われて。
どっぷり彼にはまり出していた私を、長谷川くんは嘲笑って楽しんでいた。
『ねーえ、知来〜。お願い、キスして?』
『ったく、お前はしょーがねえ奴だなあ。けど、積極的なの可愛い……』
『んん……』
そのうち、やめると言った女遊びを再開して、いろんな子に『可愛い』『好き』『キスしていい?』と言って。
そんな様子を見れば、それまで我慢していた私の堪忍袋の尾が切れるのも、当たり前で。