【完】蜂蜜色のヒーロー。


私がさりげなく手を回すと、さっと避けられて、デートしようとすると、その日は用があると言われて。


どっぷり彼にはまり出していた私を、長谷川くんは嘲笑って楽しんでいた。



『ねーえ、知来〜。お願い、キスして?』


『ったく、お前はしょーがねえ奴だなあ。けど、積極的なの可愛い……』


『んん……』



そのうち、やめると言った女遊びを再開して、いろんな子に『可愛い』『好き』『キスしていい?』と言って。


そんな様子を見れば、それまで我慢していた私の堪忍袋の尾が切れるのも、当たり前で。

< 112 / 224 >

この作品をシェア

pagetop