【完】蜂蜜色のヒーロー。
いつも傷つけることしかできなくて、恩を仇で返すような真似ばかりして。
御津くんが自分の彼女にしたいと思えるような、可愛くて素直にヤキモチの妬ける女の子には、なれないよ。
御津くんだって、本気になればどんな女の子も落とせるんだろうし、こんな私にこだわる必要なんて、まったくないんだよ。
私なんかといたって、御津くんは傷つくばかりで、失うものばかりで、損しかないことなんて、目に見えてるでしょう?
ねえ、だから。
もういいよ、私以上に優しい瞳を向けたあの女のひとのもとへ行くといいよ。
もし彼女にしてもらっても、御津くんの笑顔を作れる自信も、釣り合うと言える根拠も、なにもないよ。
だから、もう。
私には関わらないで。