【完】蜂蜜色のヒーロー。
「ねえ葵、俺ね、葵のことすっげぇ好きだよ」
「な……!」
生真くんの機嫌はすっかり直っていて、葵に顔を近づけながらそんなことを言うから、照れ屋な葵はふん、とそっぽを向いてしまう。
うう、聞いてるこっちが照れちゃうよ……。
「……妃莉」
反省文を書いていた手を止めて、御津くんがじっと私を見つめていた。
その目はどこか、甘えるように不機嫌そうに、不思議な魅力を醸し出していた。
「ん? どうしたの?」
「今、生真の言葉でドキドキしたろ」
「え? ああ、だって、あんなことさらっと言えちゃうなんてカッコいいから」