【完】蜂蜜色のヒーロー。
「……───路惟、…くん」
「………やべえ、可愛いな。離すって言ったけど、やっぱ離さねえ」
「ええ!? 反省文書けないよー!!」
*
結局本当にその後なかなか離してもらえず、葵たちカップルは『バカップル』と呆れて帰っていった。
反省文を書いた私たちは、職員室に平謝りをして、学校を出ようとしたけど。
「ひーまりちゃーん! 逢えるなんて運命ー!」
「……わ、一ノ瀬先輩」
「今日も相変わらず、可愛いねえ」
一ノ瀬先輩は、よしよしと私の頭を撫でて、そのまま顔を近づけてくる。
一ノ瀬先輩は、数日前からなぜか私に構い出した学園のアイドルと呼ばれる3年生なんだけど……。
とにかくスキンシップが多いし、なんと言ってもキス魔なのだ。