【完】蜂蜜色のヒーロー。


路惟くんのことが好きだし、別れたら長い期間寝込んでしまう自信がある。そんな私が、自ら別れなんて切り出さないよ。


───切り出せないよ。



「妃莉」


「なに?」


「俺のほうが大好きだよ。妃莉が思ってるよりも、ずっと」


「……え! 私のほうが好きだよ!」



わーわーと抵抗を見せる私に、路惟くんが楽しそうにおもしろそうに笑った。



「ろ、路惟くんが笑った……!」


「……笑うだろ」


「初めて見た、そんな満面の笑み! もっかい笑って!」


「い、や、だ」

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