【完】蜂蜜色のヒーロー。
*
「妃莉、久しぶり! 元気にしてた?」
「……っ」
今日は葵が生真くんと放課後デートの日で、路惟くんはバスケ部の助っ人に出るから、ひとりで帰ることになっていた。
校門まで来たところで、派手な金髪が目に入って、それが逢いたくなかった長谷川知来だとわかるのに、大して時間はかからなかった。
「な、んで……ここに、いるの…」
「やだなー、元カノの顔を見に来たに決まってるでしょー? ちょっと可愛くなったね」
すっと伸びてきた手を、思わず反射的に振り払った。
長谷川くんが、ここにいる。
「もう……逢いたくなかった。帰って」
「……あー、…うん」