【完】蜂蜜色のヒーロー。
高校生の私のほうが年上のはずで、柚葉ちゃんは前に逢ったときに、私みたいになりたいと、お世辞でも言ってくれたような中3の女の子なのに。
どこまでも情けない私を、柚葉ちゃんは心から心配してくれていた。
『……柚葉でよかったら、話聞くよ?』
「頼りなくてごめんね」
『ううん! 誰でもみんな落ち込むことはあるしさっ、柚葉なんかね!』
柚葉ちゃんは私をフォローするために、行きたい高校が努力圏内だったことを話してくれた。
本当は、そんなに明るく言えることでもないはずなのに。
「柚葉ちゃん、今度逢える?」
『お兄ちゃん抜きで? 柚葉ね、ふたりで逢いたいって思ってたの!』
「……そうなの?」
『うん! お兄ちゃん、独占欲強いから、柚葉あんまり妃莉ちゃんと話せなかったんだもん』