【完】蜂蜜色のヒーロー。
07*きみに伝えたい想い
嫌いにならないで
路惟くんは、近くの公園でゆったりとしたペースでブランコを漕いでいた。なにかを思い詰めたような表情で、心ここに在らずといったように。
そんな顔をさせちゃってたのは、私……?
「……ろ、路惟くん…っ!」
「………は、え? 妃莉? なにしてんの?」
「は、話したいことがあってっ、それで逢いに来た……!」
公園内に入った私のもとへ駆け寄ってきた路惟くんは、息の上がっている私を見て、一旦戸惑ったような顔色を見せたかと思えば。
そのまま、ぎゅっと私を包み込むように抱きしめてくれた。
「……別れ話なら、ぜってぇ聞かねえ」
「………ん? 別れ話じゃないよ? 謝りに来たの」
「なんで謝るわけ」