【完】蜂蜜色のヒーロー。
と、突然バカ呼ばわりされた……。
軽くショックを受ける私から、上半身だけを器用に離した路惟くんは、私に少し強めのデコピンをした。
……えっ、え?
「迷惑とか心配とか、そんなのいつもだっつーの」
「……え」
「妃莉が男に好かれてたりすると迷惑だし、いっつも無防備なのも心配。まだ言ってあげよっか?」
「も、もういいです…!」
なんだ、そういうことか、よかった。
知らず知らずのうちに、嫌われる原因になる迷惑や心配をかけてたのかと思っていた私は、ほっとした。
なんだ、ちょっとヤキモチを妬いてたんだね。
「……妃莉は、俺に全体重をかけるといいよ。そしたら、少しは心の重荷がなくなるよ」
「路惟くん……」
「な、そうしなよ」
「でも私、重いよ。あとで後悔するよ」