【完】蜂蜜色のヒーロー。
しどろもどろになって説明する私に、路惟くんはあろうことか吹き出して笑い始めた。
ケタケタと楽しそうに───いや、そんな風に笑うとこなんて滅多に見られないから、嬉しいけども!
「な、なんで笑うの!? 変なこと言ってないよね!?」
「可愛いなと思って。別に無理して言ったわけじゃねーのになー、って」
「……ふーん」
「あ、怒った?」
「怒ってませんー」
「怒っただろ」
するりと腕から抜け出した私が、公園内をぶらつくと、路惟くんが追ってくるから、その流れで追いかけっこをすることになった。
あくまでも路惟くんは颯爽と身軽に程よく手を抜いて、私を追いかけているけど、路惟くんの適当さイコール私の全速力だから、もう後半はバテバテ。
あっという間に捕まった。
「ちぇっ」
「俺に脚で叶うと思うなよ。助っ人で陸上の大会出て、日本一になってるんだから」
「……先言ってよ」