【完】蜂蜜色のヒーロー。
……いいよ、今日は気が済むまで抱きしめてて。
本当は、長谷川くんと再会したって言ったとき、すごく不安そうだったこと、見逃してないよ。
「路惟くん、あのね───」
だけどもうひとつだけ、私のわがままを許してほしい。
*
その次の週の水曜日、学校の裏手にあるこぢんまりとしたカフェにいた。
私の隣では、頬杖をついてつまらなそうに溜め息をつく路惟くんもいて、その態度も相まって、ドキドキと緊張していた。
───今から、長谷川くんと逢う。