【完】蜂蜜色のヒーロー。


コーヒーをひと口飲んだ長谷川くんは、それのせいなのか名前の呼び方へのこだわりのせいなのか───眉間にしわを作った。


……長谷川くんの下の名前って、知来だよね…?



「あはは、わかった。知来って呼ぶ」


「やったっ、ありがと!」



───ぎゅっ、と。


左隣から腕を掴まれて、私は「え?」と首を傾げた。



「……路惟くん?」


「大好きだよ、妃莉」


「……っ、こら…!」

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