【完】蜂蜜色のヒーロー。
バスケの腕は確かで、高校側から推薦も来ていたのに、それを蹴って私と同じ高校へ来てくれた。
葵のもとへ駆け寄ると、手入れをされた爪がゆっくりと、クラス掲示板へ向かい、【3組】の下にある私たちふたりの名前を指さした。
「ねっ、あたしたち、ふたりとも3組だよ! よかったよね!」
「わあ、ほんとだ。葵と一緒でよかった〜」
「安心したーっ!」
葵がぎゅっと横から私を抱きしめて、ぴょんぴょんと跳ねて嬉しそうにした。
葵は積極的だし、はきはきしているから友だちもすんなり作れるけど、私は人見知りをするタイプだし、葵と同じクラスじゃなかったら、たぶんひとりだった。
だから、飛び跳ねこそしないものの、内心ガッツポーズ。