【完】蜂蜜色のヒーロー。
「ごめん……」
「……なにが。突然、楽しそうじゃなくなるの、やめて」
「はしゃぎすぎたね、私。ごめん」
「……楽しそうでよかった。安心した」
ぎゅっと、握る手に力が込められて上を向けば、そこには柔らかな笑みを浮かべた、御津くんがいて。
同じクラスにいるはずなのに、まだ笑った顔なんて見たことなかったから、びっくりした。
口角だけが上がっているけど、その目はじいっと優しくて。