【完】蜂蜜色のヒーロー。
「え……妃莉、大丈夫!?」
「……冷たー」
「こらー!! お前たちー!」
私の心配をした次の瞬間には、腕を振り上げて怒る葵に、男の子たちは、やべっと呟くと。
葵の剣幕に恐れ入ったらしく、「ご、ごめんー!」と慌てて走っていく。
「これから入学式なのに……妃莉、どうする?」
「乾くかなぁ。乾けば解決なんだけど」
「や、無理じゃない?」
葵がタオルで、ぽんぽんと拭いてくれるのを横目に、濡れているのは上半身だけみたいだと把握した。
スカートは無事だったみたいだけど、これじゃあ入学式どころじゃない。