【完】蜂蜜色のヒーロー。
そう言われて、窓から下を見下ろせば、門の前に御津くんが立っていた。
「す、すぐ行きます……!」
『転ぶなよ。ゆっくりでいいから』
「う、うん……!」
階段をドタバタと降りた私は、そのまま短い距離を全速力で走って、玄関を開けた。
蜂蜜色の髪の毛が、ふわりと風でなびいて、真っ直ぐなその瞳が私を捉えた。
「……すげぇ音。電話繋がってるって、わかってた?」
「……は!」
すっかり忘れてた……恥ずかしい!