口からの真実を
嫌な時間
AM 7:25
いつも、妹と見ている「花太郎」
(子供向けのアニメ)
が終わる
 
心に(学校に行きたくない)という思いが出てくるのを、私は無理やり消して
座っているソファーの隣においてあるランドセルを背中にしょった
 
思い足取りで玄関に向かい、精一杯の大きな声ととびきりの笑顔で
「いってきます!」

 
ピピピピピ
私は、手で目覚まし時計を探し、アラームを止めるスイッチをおす
目を開けて、今まで見ていたものが夢だったのだとわかった

「......はぁ」
未だにあの事を、引きずっているのだと思うと自分が嫌になった
あのことはもう、終わった
もう、忘れたんだ
今にもこぼれそうな涙を私はパジャマで拭った
 
ガラッ
「花梨。あぁ、起きてたの。支度しないと陸上部の朝練遅れるよ」
そういったのは、私の部屋のドアを開けたママだった

時計を見るともう6:00
目覚まし時計を止めてから、15分もたっていた
「やっば...急いで支度する‼」
そう言った私は慌てて、着替え始めた

~♢~♢~♢~♢~

「......で、また、集合場所に遅刻したと。
寝坊しないように、本は夜読まない方が良いって、昨日言ったのに!」

と、頬を膨らませて私に怒ったのは
いつも陸上部の朝練に一緒に行く
増山梨々香だった

今は、朝練の時間。
私の所属している陸上競技部では、200m トラックを長距離の人は15周、
短距離の人は10周
を朝練開始の7:35~8:15までに個人で走れば
そのあとの行動は自由
梨々香は今は、足の怪我をしていて筋トレをしていた

「ごめんごめん!つい、面白くて読み込んじゃった」
私は手を合わせながら、言い訳を梨々香に言った

「まったく、花梨らしい」
と、苦笑して梨々香は言った

「でも、ほら朝練の開始時間には間に合ってるから...」
本当は別の理由だけど

「明日からは、気を付けてよ?」
「はーい!」

と、梨々香が神妙な顔で私にはなしかけた


「...ところでさ、花梨まだ、5周しか走ってないのに、ストレッチ。
花梨らしくない。
やっぱり、昨日されたの?」

その言葉に、私の顔は歪んだ
「後で話すから....」
そう言った私は再びトラックに向かった
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