冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
淡い光をたよりに近寄ってかがみこみ、眺めてみる。
さほど大きくなく、厚みもない。長方形の板状が包んである布ごしに見てとれた。
なにかしら、こんなところに。
一瞬ためらったけれど、好奇心には勝てなかった。
巻いてある白い布を丁寧に取り除けてゆく。
木枠があらわれ、キャンバス地が張られているのが分かる。油絵のようだ。
そっと表に返す。
あら素敵。
思いがけずあらわれた明るい色彩とうつくしい人物画に目を見張り、次の瞬間には小さく叫んでいた。
「ルーシャ!」
間違いない。描かれている少女はルーシャその人だった。
光の当たる場所へ置いて、まじまじと、それこそ穴のあくほど絵を見つめる。
椅子にかけて、こちらを見つめる一人のうつくしい少女。
袖のふくらんだドレスとレースの髪飾りをつけている。フロイラの見慣れたサンボンネット姿でないのは、室内で描かれているためだろう。
少女もさることながら、絵もとてもうつくしい。
さほど大きくなく、厚みもない。長方形の板状が包んである布ごしに見てとれた。
なにかしら、こんなところに。
一瞬ためらったけれど、好奇心には勝てなかった。
巻いてある白い布を丁寧に取り除けてゆく。
木枠があらわれ、キャンバス地が張られているのが分かる。油絵のようだ。
そっと表に返す。
あら素敵。
思いがけずあらわれた明るい色彩とうつくしい人物画に目を見張り、次の瞬間には小さく叫んでいた。
「ルーシャ!」
間違いない。描かれている少女はルーシャその人だった。
光の当たる場所へ置いて、まじまじと、それこそ穴のあくほど絵を見つめる。
椅子にかけて、こちらを見つめる一人のうつくしい少女。
袖のふくらんだドレスとレースの髪飾りをつけている。フロイラの見慣れたサンボンネット姿でないのは、室内で描かれているためだろう。
少女もさることながら、絵もとてもうつくしい。