冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
やはり本当は、ルーシャはどこか別のところにいて。
クラウスはルーシャを騙っているのではないかと、疑いが首をもたげたりもしたけれど。
クラウスの記憶と自分のそれは、細部までピタリと一致していた。
なによりクラウスが何気なく口にした言葉。
「不思議だな。俺の記憶の中では、あの庭はいつも晴れてるんだ。天気が悪い日もあっただろうに。陽が射している情景しか思い出せない」
それはそのままフロイラにも当てはまることだった。
どうやら逃げ道はなさそうだった。
「俺は男だから、男としての愛し方しかできない。ついでに、それほど辛抱強くないぞ」
「〜〜〜・・・」
それでもクラウスの言葉を、彼の想いを受け入れる決意をしたのは、後悔しないという誓いを守るためと、それ以上にそう、クラウスを愛していることにようやく気づいたからだ。
クラウスはルーシャを騙っているのではないかと、疑いが首をもたげたりもしたけれど。
クラウスの記憶と自分のそれは、細部までピタリと一致していた。
なによりクラウスが何気なく口にした言葉。
「不思議だな。俺の記憶の中では、あの庭はいつも晴れてるんだ。天気が悪い日もあっただろうに。陽が射している情景しか思い出せない」
それはそのままフロイラにも当てはまることだった。
どうやら逃げ道はなさそうだった。
「俺は男だから、男としての愛し方しかできない。ついでに、それほど辛抱強くないぞ」
「〜〜〜・・・」
それでもクラウスの言葉を、彼の想いを受け入れる決意をしたのは、後悔しないという誓いを守るためと、それ以上にそう、クラウスを愛していることにようやく気づいたからだ。