冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
ということは、わたしは———
「わたしは・・・死ねなかったのね」
力無いつぶやきが、くちびるからもれる。
「ここはヴィンターハルター侯爵様のお邸です」
年かさのメイドが、聞こえなかったかのようにしゃべりかけてくる。
「女主人がいないものですから、わたしどもの寝間着でお許しくださいませ。ミス———」
木綿の寝間着に着替えさせられていた。
「・・フロイラ、フロイラ・ラインハートと申します」
あきらめて、名を口にする。
まさかこんなことになるなんて・・・
なんとか手をついて、ベッドに上体を起こす。
広さや装飾からして、使用人部屋ではない。ゲストルームだろうか。
天蓋つきのベッドに、大理石のマントルピースに縁取られた暖炉では、炎があかあかと燃えている。
「わたしは・・・死ねなかったのね」
力無いつぶやきが、くちびるからもれる。
「ここはヴィンターハルター侯爵様のお邸です」
年かさのメイドが、聞こえなかったかのようにしゃべりかけてくる。
「女主人がいないものですから、わたしどもの寝間着でお許しくださいませ。ミス———」
木綿の寝間着に着替えさせられていた。
「・・フロイラ、フロイラ・ラインハートと申します」
あきらめて、名を口にする。
まさかこんなことになるなんて・・・
なんとか手をついて、ベッドに上体を起こす。
広さや装飾からして、使用人部屋ではない。ゲストルームだろうか。
天蓋つきのベッドに、大理石のマントルピースに縁取られた暖炉では、炎があかあかと燃えている。