お見合い相手は冷血上司!?
「えっ……何、停電?」
まだ夕方だというのに、雲に隠れた太陽は陰っていて、その光は届かない。
ビジネスホテルって、非常電源を備えてるところは少ないんだっけ? 天気は回復しそうにないし、まさか朝までこのまま……?
小さく丸まったまま、布団を頭から被った。
ホテルの従業員だろうか、慌てた様子の話し声とバタバタと廊下を走る音がする。
一瞬ほっと安堵に胸を撫で下ろすけれど、重ねて落ちる落雷に、すぐにまた身を縮めた。
するとその時、雨音に紛れ、キン、とインターホンの音が響く。
布団から出て、近くにあるはずのサイドテーブルを探すと、そこから壁伝いに扉まで辿り着いた。
ゆっくりと扉を開けると、差し込んできた光の筋に目が眩(くら)む。
「何だ、ひどい顔だな」
降ってきたのは、淡く、柔らかな声と、甘い香り。
足元に落とされた光に慣れてきた目を薄らと開けると、目の前には、ペンライトを持った課長が立っていた。
まだ夕方だというのに、雲に隠れた太陽は陰っていて、その光は届かない。
ビジネスホテルって、非常電源を備えてるところは少ないんだっけ? 天気は回復しそうにないし、まさか朝までこのまま……?
小さく丸まったまま、布団を頭から被った。
ホテルの従業員だろうか、慌てた様子の話し声とバタバタと廊下を走る音がする。
一瞬ほっと安堵に胸を撫で下ろすけれど、重ねて落ちる落雷に、すぐにまた身を縮めた。
するとその時、雨音に紛れ、キン、とインターホンの音が響く。
布団から出て、近くにあるはずのサイドテーブルを探すと、そこから壁伝いに扉まで辿り着いた。
ゆっくりと扉を開けると、差し込んできた光の筋に目が眩(くら)む。
「何だ、ひどい顔だな」
降ってきたのは、淡く、柔らかな声と、甘い香り。
足元に落とされた光に慣れてきた目を薄らと開けると、目の前には、ペンライトを持った課長が立っていた。