お見合い相手は冷血上司!?
「……お前というやつは」
はぁーっと長いため息をつく課長。
緊張と罪悪感が入り交じり、それは鈍い痛みとなって私の全身を襲った。
しかし、これ以上踏み込んではいけない。
この部屋に光が戻ったら、私はもう二度と 課長に頼ったりはしない。
……彼の気持ちを理解したからこそ、そう決めた。
すると立ち上がった彼は、一歩ずつ、ゆっくりこちらに向かってくる。目の前で止まった足から、流すように顔を見上げた。
私を見下げる瞳は凍てつくように冷たく、背筋をゾクリとさせられる。
「お前は――バカか」
いつかも聞いたようなセリフに、目を丸めた。
すると、するりと伸びてきた彼の両腕が私の手首を絡め取る。抵抗する間もなく、彼は引力に従うように鼻先が触れ合う距離にまで顔を近付けた。
「ちょっ、待っ……」
逃れようと身をよじると、その腕は意外にも簡単に解ける。
離れていく腕を横目にほっと安堵の表情を浮かべながら顔を上げると、唇はそっと重ねられた。
「――二度もキスされといて、今更俺を忘れられるのか?」
艶気を含んだ低い声が、部屋の中に静かに響く。
はぁーっと長いため息をつく課長。
緊張と罪悪感が入り交じり、それは鈍い痛みとなって私の全身を襲った。
しかし、これ以上踏み込んではいけない。
この部屋に光が戻ったら、私はもう二度と 課長に頼ったりはしない。
……彼の気持ちを理解したからこそ、そう決めた。
すると立ち上がった彼は、一歩ずつ、ゆっくりこちらに向かってくる。目の前で止まった足から、流すように顔を見上げた。
私を見下げる瞳は凍てつくように冷たく、背筋をゾクリとさせられる。
「お前は――バカか」
いつかも聞いたようなセリフに、目を丸めた。
すると、するりと伸びてきた彼の両腕が私の手首を絡め取る。抵抗する間もなく、彼は引力に従うように鼻先が触れ合う距離にまで顔を近付けた。
「ちょっ、待っ……」
逃れようと身をよじると、その腕は意外にも簡単に解ける。
離れていく腕を横目にほっと安堵の表情を浮かべながら顔を上げると、唇はそっと重ねられた。
「――二度もキスされといて、今更俺を忘れられるのか?」
艶気を含んだ低い声が、部屋の中に静かに響く。