お見合い相手は冷血上司!?
第五話 冷血上司と熱花の秘密は
「なぁ亜子。晴人さんとは、どうなんだ? 上手くいってるのか?」
毎朝お決まりのニュース番組を見ながらトーストをかじっていると、ネクタイを締める父がリビングにやってきた。
「……普通よ。それに上手くも何も、お父さんが断れないようにしたんでしょ」
お見合い当日、家に帰ると普段は付き合い程度でしかお酒を飲まない父が、珍しく酔っ払っていた。
聞けば、相馬会長とお酒を交わしたらしい。
既に話はトントン拍子に進められていて、もはや私の意見なんて、誰も聞く耳を持たなそうだった。
正面から向かい合っても、きっと課長も、父も、おまけに会長も、私には手に負えない。
「晴人さん、とてもいい人じゃないか。それに今まで誰とも縁談を進めなかったというのに、お前を気に入るなんて。こんないい話またとないぞ!」
また小躍りを始めそうな父。
私は残っていた目玉焼きを慌てて噛み締めると、玄関で花に水をあげていた母に「いってきます」と声を掛けて仕事に向かった。
毎朝お決まりのニュース番組を見ながらトーストをかじっていると、ネクタイを締める父がリビングにやってきた。
「……普通よ。それに上手くも何も、お父さんが断れないようにしたんでしょ」
お見合い当日、家に帰ると普段は付き合い程度でしかお酒を飲まない父が、珍しく酔っ払っていた。
聞けば、相馬会長とお酒を交わしたらしい。
既に話はトントン拍子に進められていて、もはや私の意見なんて、誰も聞く耳を持たなそうだった。
正面から向かい合っても、きっと課長も、父も、おまけに会長も、私には手に負えない。
「晴人さん、とてもいい人じゃないか。それに今まで誰とも縁談を進めなかったというのに、お前を気に入るなんて。こんないい話またとないぞ!」
また小躍りを始めそうな父。
私は残っていた目玉焼きを慌てて噛み締めると、玄関で花に水をあげていた母に「いってきます」と声を掛けて仕事に向かった。