お見合い相手は冷血上司!?
「でもそんな、利用するみたいなこと……」
「何言ってんの。あんたが前に進むのは課長の為でもあるんだから、それは利用なんて言わないわ。私も、あんたには幸せになって欲しいもの。課長もそう思ってるから、待っていてくれてるんじゃないの?」
……私は、甘えてもいいんだろうか?
ぐしゃりと顔を歪めると、桃はそれを見てゲラゲラと笑った。
「信じられるようになるまで、じっくり見極めればいいの。あんたが寄り添える相手だと思ったら、その時は課長に思いを告げてあげればいいじゃない。それを待てないようなら、課長もその程度。でも課長は……相当しぶとそうな顔してると思うけどね」
前髪をかきあげ、眉間にシワを寄せると、課長の顔真似をする桃。
思わずクスリと吹き出すと、彼女は嬉しそうに口元を綻ばせた。
「ありがとう、桃」
「何よ改まって。それにしても、課長が亜子を好きだったなんて。あの残業攻撃は、愛ゆえだったのかしらね?」
「何でだろうね。あ、美味しい」
今なら、少しは分かる。
あれはきっと……――
私も初めて食べるガレットに、口元を綻ばせた。
「何言ってんの。あんたが前に進むのは課長の為でもあるんだから、それは利用なんて言わないわ。私も、あんたには幸せになって欲しいもの。課長もそう思ってるから、待っていてくれてるんじゃないの?」
……私は、甘えてもいいんだろうか?
ぐしゃりと顔を歪めると、桃はそれを見てゲラゲラと笑った。
「信じられるようになるまで、じっくり見極めればいいの。あんたが寄り添える相手だと思ったら、その時は課長に思いを告げてあげればいいじゃない。それを待てないようなら、課長もその程度。でも課長は……相当しぶとそうな顔してると思うけどね」
前髪をかきあげ、眉間にシワを寄せると、課長の顔真似をする桃。
思わずクスリと吹き出すと、彼女は嬉しそうに口元を綻ばせた。
「ありがとう、桃」
「何よ改まって。それにしても、課長が亜子を好きだったなんて。あの残業攻撃は、愛ゆえだったのかしらね?」
「何でだろうね。あ、美味しい」
今なら、少しは分かる。
あれはきっと……――
私も初めて食べるガレットに、口元を綻ばせた。