お見合い相手は冷血上司!?
いつもは綺麗にまとめられた艶やかな黒髪が白い肌に落ちていて、それを一筋、そっと掬い上げる。
覗く睫毛が電気を感じたようにピクリと跳ねるけれど、慌てて手を離すと、それはまた心地良さそうに揺れた。
愛しいと感じるのは、今日の彼だから。
そう言い訳みたいな言葉を自分に重ねては、寝息を立てる彼の胸元に頭を預けた。
抱き枕は、何も感じない。
抱き枕は、中身が綿だもの。
目を閉じると、爽やかな柑橘系の香りが簡単に私の熱を呼び戻した。
眠れるわけがない……。
長いため息をつくと、突如部屋に響くインターホンのような音に私は身体ごと跳ね上がった。
課長もモゾモゾと動き出し、不機嫌そうに目を開く。
「課長、誰か来たみたいです」
「放っておけ。こんな時間だ。どうせロクでもない」
再び目を閉じた彼は、動く気はなさそうだ。
しかし、来客の音は諦めるどころか、課長の対応を分かっているかのように絶え間なくなり始める。
覗く睫毛が電気を感じたようにピクリと跳ねるけれど、慌てて手を離すと、それはまた心地良さそうに揺れた。
愛しいと感じるのは、今日の彼だから。
そう言い訳みたいな言葉を自分に重ねては、寝息を立てる彼の胸元に頭を預けた。
抱き枕は、何も感じない。
抱き枕は、中身が綿だもの。
目を閉じると、爽やかな柑橘系の香りが簡単に私の熱を呼び戻した。
眠れるわけがない……。
長いため息をつくと、突如部屋に響くインターホンのような音に私は身体ごと跳ね上がった。
課長もモゾモゾと動き出し、不機嫌そうに目を開く。
「課長、誰か来たみたいです」
「放っておけ。こんな時間だ。どうせロクでもない」
再び目を閉じた彼は、動く気はなさそうだ。
しかし、来客の音は諦めるどころか、課長の対応を分かっているかのように絶え間なくなり始める。