お見合い相手は冷血上司!?
「課長は、お元気ですか?」
何から聞こうかと散々悩んでも、やはり口をついて出たのはこの言葉だった。
「元気だよ。昔からあいつはいつも強くて、今も慣れない環境でもそれなりに働けている。あいつの統率力、先を読む力なんかには、既に周りも一目置いているし、きっと親父より、あいつはすごい経営者になると思う」
「そう、ですか……」
課長が、どんな仕事にも手を抜かないのは知っている。
それはきっと職種も関係なくて、関わっている限りそれは彼の中での絶対なのだと思う。
瞼を閉じればすぐに浮かぶ映像に、ギュッと手のひらを握り締めた。
「でもね、それはきっとそう見えてるだけなんだと思う。あいつは表に出さないからわからないけど、腹の中は今にも崩れそうだと思う。
長年居座り考えの凝り固まった重役者たちは口先ばかりで手に負えないし、いくらトップは代々一族経営だと決められていても……外から突然やってきた若造は、出来れば出来るほど、つらい目を見ることもあるからね。
……それに何より、君がいないから」
最後の一言に、胸が大きく跳ねる。
何から聞こうかと散々悩んでも、やはり口をついて出たのはこの言葉だった。
「元気だよ。昔からあいつはいつも強くて、今も慣れない環境でもそれなりに働けている。あいつの統率力、先を読む力なんかには、既に周りも一目置いているし、きっと親父より、あいつはすごい経営者になると思う」
「そう、ですか……」
課長が、どんな仕事にも手を抜かないのは知っている。
それはきっと職種も関係なくて、関わっている限りそれは彼の中での絶対なのだと思う。
瞼を閉じればすぐに浮かぶ映像に、ギュッと手のひらを握り締めた。
「でもね、それはきっとそう見えてるだけなんだと思う。あいつは表に出さないからわからないけど、腹の中は今にも崩れそうだと思う。
長年居座り考えの凝り固まった重役者たちは口先ばかりで手に負えないし、いくらトップは代々一族経営だと決められていても……外から突然やってきた若造は、出来れば出来るほど、つらい目を見ることもあるからね。
……それに何より、君がいないから」
最後の一言に、胸が大きく跳ねる。