お見合い相手は冷血上司!?
「亜子さん、と言いましたか?」
「あ、はい! 失礼しました。鈴原 亜子と申します。よろしくお願いします」
ハッとして慌ててお辞儀をすると、会長は両方の口角を緩やかに上げて微笑む。二重まぶたの大きな目は優しげに垂れていて、課長とはまたタイプが違った。
高級そうなスーツを綺麗に着こなしていて、言われなければ課長と親子ほど年が離れているようには見えない。
チラリと課長に視線を流すと、視線が絡んだ途端、彼は唇をへの字に歪めた。
……今日も、なにか怒ってらっしゃる。
「亜子さんは、晴人と同じ『ラヴァンドラ』に勤めているそうですね。それも、同じ部署だとか」
「はい、課長……いや、は、晴人さんには、いつもお世話になっております」
晴人さん、なんて、自分で言っていて背筋が凍る。先ほどからジッとこちらを見ている課長が、今何を考えているのかと思うと白目を剥いて倒れてしまいそうだ。
あれ? でも課長の苗字って黒瀬じゃ……。
「あ、はい! 失礼しました。鈴原 亜子と申します。よろしくお願いします」
ハッとして慌ててお辞儀をすると、会長は両方の口角を緩やかに上げて微笑む。二重まぶたの大きな目は優しげに垂れていて、課長とはまたタイプが違った。
高級そうなスーツを綺麗に着こなしていて、言われなければ課長と親子ほど年が離れているようには見えない。
チラリと課長に視線を流すと、視線が絡んだ途端、彼は唇をへの字に歪めた。
……今日も、なにか怒ってらっしゃる。
「亜子さんは、晴人と同じ『ラヴァンドラ』に勤めているそうですね。それも、同じ部署だとか」
「はい、課長……いや、は、晴人さんには、いつもお世話になっております」
晴人さん、なんて、自分で言っていて背筋が凍る。先ほどからジッとこちらを見ている課長が、今何を考えているのかと思うと白目を剥いて倒れてしまいそうだ。
あれ? でも課長の苗字って黒瀬じゃ……。