お見合い相手は冷血上司!?
「えっ? あ、これセクハラになるのかな? ごめんね鈴原さん、訴えないでね! それにしてもまた黒瀬くんに怒られちゃったな、アハハ!」
笑顔で私と距離を取る木津主任。
課長は既にデスクに広げた書類に視線を落としていて、こちらの様子にはもう毛ほどの興味もないようだ。
海外の有名大学を出ていてとにかく仕事が出来る彼は、三十二歳という若さで課長にまで上り詰めた訳だけど、その持ち前の歯に衣着せぬ物言いで、営業課の間では『冷血人間』と呼ばれていた。
しかし、綺麗にまとめられた艶やかな漆黒の髪に切れ長の目、筋の通った高い鼻、その陶器のような白い肌にはシミ一つない。
おまけに高身長、と性格以外はハイスペックすぎる彼を女性社員がほっとくわけがなくて、陰ではファンクラブが存在するとまで噂されていた。
――それでも無口で冷血な彼が、私は苦手だ。
笑顔で私と距離を取る木津主任。
課長は既にデスクに広げた書類に視線を落としていて、こちらの様子にはもう毛ほどの興味もないようだ。
海外の有名大学を出ていてとにかく仕事が出来る彼は、三十二歳という若さで課長にまで上り詰めた訳だけど、その持ち前の歯に衣着せぬ物言いで、営業課の間では『冷血人間』と呼ばれていた。
しかし、綺麗にまとめられた艶やかな漆黒の髪に切れ長の目、筋の通った高い鼻、その陶器のような白い肌にはシミ一つない。
おまけに高身長、と性格以外はハイスペックすぎる彼を女性社員がほっとくわけがなくて、陰ではファンクラブが存在するとまで噂されていた。
――それでも無口で冷血な彼が、私は苦手だ。