お見合い相手は冷血上司!?
「課長……!」
会議が終わり、いち早く部屋を出ていく課長を慌てて追い掛けた。
「何だ?」
振り返る彼は、無表情のまま私を見下ろす。向かい合うとあの日の記憶がフラッシュバックして、思わずグッと言葉を飲み込んだ。
「決定事項に変更はないぞ」
先にキッパリと言い放った彼は、私の返事を聞くこともなくオフィスへ戻っていってしまう。
あっ……と伸ばした手が、無情にも落ちた。
廊下のド真ん中に突っ立っている私を、会議室から出てきたみんなが不思議そうに見つめ通り過ぎていく。
そんな中、恐ろしいほどに満面の笑みを浮かべた桃が目の前に立ちはだかった。
「亜子。今日のお昼、社食ね」
腰に両手を当てた彼女は、課長にも負けずにも劣らない迫力で私を見下ろす。
もちろん親友なのだから、普段から食事にだって行く。しかし、彼女がこの『悪魔の微笑み』を浮かべている時は、決まって意味がある時だ。
いつもは夕食なのに、それが社食となれば……美しい悪魔は相当待ちきれないらしい。
……新たな試練だ。
会議が終わり、いち早く部屋を出ていく課長を慌てて追い掛けた。
「何だ?」
振り返る彼は、無表情のまま私を見下ろす。向かい合うとあの日の記憶がフラッシュバックして、思わずグッと言葉を飲み込んだ。
「決定事項に変更はないぞ」
先にキッパリと言い放った彼は、私の返事を聞くこともなくオフィスへ戻っていってしまう。
あっ……と伸ばした手が、無情にも落ちた。
廊下のド真ん中に突っ立っている私を、会議室から出てきたみんなが不思議そうに見つめ通り過ぎていく。
そんな中、恐ろしいほどに満面の笑みを浮かべた桃が目の前に立ちはだかった。
「亜子。今日のお昼、社食ね」
腰に両手を当てた彼女は、課長にも負けずにも劣らない迫力で私を見下ろす。
もちろん親友なのだから、普段から食事にだって行く。しかし、彼女がこの『悪魔の微笑み』を浮かべている時は、決まって意味がある時だ。
いつもは夕食なのに、それが社食となれば……美しい悪魔は相当待ちきれないらしい。
……新たな試練だ。