お見合い相手は冷血上司!?


「い……はら……おい、鈴原」

 意識が覚醒して、飛び起きる。
 怖い悪夢を見ていたような気がして何度も瞬きを繰り返すと、目の前にはこちらを覗き込む課長の顔があった。

 ――夢じゃなかった。

「やっと起きたか」

「す、すみません……」

 あれだけ緊迫感に包まれ身体を強ばらせていたというのに、疲れに負けて眠ってしまっていたなんて。
 それも運転した課長に起こさせるなんて、最悪だ……。

 込み上げる羞恥心に頭を落としていると、助手席のドアを開けてくれた課長も、その姿を見てふっと鼻で笑う。
 もう、今すぐ逃げ出してしまいたい。
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