お見合い相手は冷血上司!?
「大丈夫だ。お前は案外、感情が顔に出やすいタイプだからな」

「えっ? そうですか?」

 人からは、あまり言われたことがないけれど。
 斯く言う課長も、お見合いの席で父に、顔に出さないことを褒めていたような……?

「あぁ。お前が俺を苦手で、愛想のない非情な人間だと思っていることも知っていた」

 突然思いもよらぬ異方向からやって来た切り込みに、思わず驚きの声を上げてしまった。

「そ、そんなこと……!」

「隠さなくていい。お前は、仕事に対しては何事も一切顔に出さないくせに、俺に対する思いは全部顔に出ていたからな」

 表情に出していたつもりはなかったので驚いたが、そう思っていたのは紛れもない真実なので、返す言葉もない。

「すみません……」

 膝に付きそうなほど頭を下げる私を見て、課長はクックッ……と愉快そうに肩を揺らしていた。
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