お見合い相手は冷血上司!?
第四話 冷血上司と嵐の夜に
「お前は詰めが甘い。一体何度同じことを言わせれば気が済むんだ」
まだ出社して間もない時効にもかかわらず、オフィスは既に猛吹雪に包まれていた。
怒られている入社三年目の平田くんは、まるで本当の雪山にいるかのように顔面を蒼白させている。
吹雪の根源は、今日も凍てつくような視線を流す課長だ。
「何とかなったからよかったものの、あと数時間気付くのが遅れていたら取り返しのつかないことになっていたんだ。
お前一人の問題ではない。クライアントはもちろんのこと、印刷所やタレント、この企画に関わった全員に迷惑がかかるんだ。同じミスを繰り返すな。この仕事を続けるなら、もっと自覚を持て」
オフィスにいる全員が、彼の最後の一言に震え上がった。怒られている当事者じゃなくても、彼のお説教にはかなりの効果がある。
しかしお説教をしているということは、今回のトラブル既に無事に解決したのだろう。