私を愛してくれたのはあなたでした

瞬はそれを聞いて、近くにあったペンと紙を取り出し、震える手で
《苦しい、辛い、泣きたい

由紀を抱きしめたい、蓮を抱きしめたい。》

そう書いてあった。

私は、瞬にだきついて
「泣いてもいいよ。」と言った。

そしたら瞬は私の前で初めて泣いた。

瞬が泣いたのは初めてだった。

「大丈夫だよ。」

背中を軽く叩いた。大丈夫大丈夫と声をかけながら。
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