浅葱色の記憶
「また、やり合ったらしいな」

「土方さんって、意地悪なの!
駄目なら最初に気を持たせたりしないで
駄目って、言えばいいのに!」

「サクタの反応が面白いのだろう」

「私、ちっとも面白くない!
ストレスたまるから!」

「すとれす?」

「あ、えーと、病になりそうってこと」

「ほお 病は、気からだからな」

「斎藤さん」

「ん?」

「すみません
皆さん、本当は面倒でしょ?
私みたいなのが転がり込んで」

「いや、楽しい
それに、幹部だけじゃない
平隊士も皆、お前が大事なんだ」

「ありがとうございます
そう、言ってもらえると少し楽です」

「記憶などなくても、サクタは、サクタ
気をつかうところは、かわらない」

「斎藤さんって、癒し系だ」

「なんだ?」

「一緒にいると、癒される!」

「そんなこと、初めて言われたぞ」





買い物をして、帰ると
原田さんが肩をガッツリ抱いてきた


「やめてくれます?」

「サクタ、新八はどうだ?」

「どうって?」

「一緒に寝泊まりして、なんともねえのか」

「ありません」

「新八は、良い奴だぞ!」

「そうですね」


だから?って、目をやると


「子供作れ」


この人、馬鹿だと思ってたけど、本物だ


「ふざけたこと言わないで下さい!!」



手をグーにして、振り上げると
原田さんが逃げる


ムッ



「逃げるな!卑怯だ!」


私は、原田さんを追いかけた


「まてぇーー!!1回殴らせろ!!」


「俺様に追いついたらな!!」


私達が、ドタバタと屯所を走り回ると
幹部らが加勢してくれて


「うるせぇんだよ!!馬鹿野郎!!!」


全員で拳骨を落とされる


「イッタァ… あの人、本当は鬼じゃないの
手加減とか知らないの!?」


頭を擦る


「2度目だからな」

「そうなの?」

「前にも怒られたんだよ」



そりゃ 怒られるわ



「私、覚えてないのに、酷くないですか?」



「土方さんは、平等に怒るからな」



そう言われると

確かに、甘やかされもしない






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