浅葱色の記憶
「原田さん!宝蔵院流槍術の免許皆伝らしいじゃないですか!?
私と試合しませんか!?」


「いいぞ!!」


許可を貰い
私達は、広い庭に出た


平隊士らまで見物に集まった


「ハンデが欲しいな」

「はんで?」

「いえ、やっぱりいいです!」


う~ん

原田さんが油断してくれない限り
勝てないかも


身長差 力 技術 勝てそうなのは
速さと技かなぁ



「始め!」



うーん

負けたくない



原田さんがニコッと笑う

基本に忠実そうね

宝蔵院流は、皆
敵と対峙するとまず笑顔だもんね


私もニコッと笑う



しばらく原田さんとの睨み合い


あゆみ足で近づくと、待っていたようで
すぐにつき技がくる

カンカンと棒の当たる音が響く


この馬鹿力!!!



接近戦に持ち込み

スッと姿勢を低くし、足をかける

バランスを崩しながらも

出される攻撃をよけ


スッ




「勝者 サクタ!」



「やったぁ!!!」

「うわぁ!!サクタさんすげー!!」

「さすが!永倉組長の女だな!!」

「強いって噂は、本当だな!!」

「藤堂組長にも勝ったらしいもんな!」

「ちょっと!なんて?今、なんて?」

「藤堂組長にも勝ったらしいって」

「藤堂さん!本当!?」

「うん!入隊試験で、負けたんだ!」

「幹部2人に勝ってんの?嬉しい!!」

「真結!私と試合しませんか?」

「宗次郎と!?やる!!」



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