浅葱色の記憶
折角、立ち直ったのに 


幹部会議に呼ばれ

「そういや聞いて無かった
未来のお前は、まだ死にかけてんのか?」

「いえ、ピンピンしてる
歩けるようになったし、ご飯も食べてる」

「未来に恋仲とかいるのかい?」

「いません!いたら、永倉さんと
付き合ってないし」

「未来の事を話しても頭痛しねぇな」

「は?」

「以前は、話そうとすると頭痛が邪魔した
中山もお前も」

「ちょっと待って!!中山って?」


まさか?


「お前の通ってる道場の中山」

「えー!?中山さんもここにいたの!?
ここに来る前、話した時
全然そんな話にならなかったけど?」

「ちょっと待て!!話したのか?」

「話したよ」

「生きてるんだな?」

「危なかったみたいだけど、元気ですよ
私より先に回復したみたいですから」

「……そうか」

「何?」

「お前、向こうのお前が死んだら、どうなると思う?」

「消えるんじゃないの?」

「じゃあ、仮にお前がこっちで
死んだら?」

「さぁ?死ぬんじゃないの?
私がわかるわけないじゃん!
私的には、こっちは偽物みたいなもので
向こうが本物だと思ってる
だから……いつか、消えると思う」


お通夜かよ!?

しんみりされると困るんだけど?


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