浅葱色の記憶
「僕は、違うと思ってる
やはり、体が2つあると思う
中山君は、こちらで死んだんだ」



山南さんは、優しい口調でとんでもない
事を話し始めた


「それは、ここにいる全員が知っている
墓だってあるからね」


「どちらの私も元気です
死にかけてないのに…じゃあ…
今、あっちの私は、何してるんですか?
こっちで死んだから、中山さんが元気になったわけじゃないよね?」


「まあ落ち着いて」


わけわかんない…


「以前は、未来とこちらを行き来出来たんだ
心当たりは?」


「ありません
目が覚めてから、1ヶ月以上普通に過ごしてて、別に死にかけてないし
順調に回復してた!
どうやってここに来たのか
全然わからない!」


「サクタ君 僕の推測だけどね
こっちの君は、寝て起きたら記憶がなくなったんだ。1ヶ月以上向こうで意識があったということは
今、向こうの君は、ほんの一瞬を過ごして
いると思うんだ
なぜ、そう考えたかというとね
こっちで数ヶ月過ごしたのに、向こうは
数時間ほどだと言ってたからね」



「すみません
少し、1人になりたい
庭を散歩してきます」








中山さんの事も驚いたけど

何より、私が未来を行き来出来てたこと






もしかしたら…





もしかしたら…








良くないことを考え、不安になった











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