浅葱色の記憶
とはいえ……




どうしたらいい?

また、飛び降りたらいいのか?



道路を睨む

私は、とっても不審者


「高校生?もう暗いから早く帰りなさい!」

「あ、はい 帰るとこです!」


駄目だ……そんなことしたら
皆に怒られる



施設に戻ろうと



トボトボ歩いていると

目の前に男がいた



「クククッ 見つけた……」




薄気味悪い笑い方に、私の記憶が蘇る




「死ね」




それは、一瞬の出来事だった



男が持っていたナイフが
正確に私の心臓を貫いた






痛みを感じる間もなく



暗闇に沈む










この感じ…








私は、無くした記憶を全て取り戻し




目を開ける








「よかった…戻って来た…」



闇夜に新選組の羽織と提灯



「え?」



私の姿を見ても、誰も反応しなかった


心臓の音がえげつない



今度は、皆の記憶が消えた



泣きそうになったが、首を横に振る


今回の目的は、歴史を元通りにすること



近藤さんらが、向かう池田屋へ
先回りしないと!!!




客を装い、中に入る



ドキドキしてて、すっかり忘れていた




私、丸腰だ





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