浅葱色の記憶
身代わり
まさか、永倉さんが落ち込んでいたなんて


どうやって仲良くなろう



考えながら庭の掃除をしていた


だから、コソッと後ろからくる気配に
気づくのが遅れ

持っていた箒で、攻撃を仕掛ける


「うわっ!」


「あ」


飛び退いた原田さんを見て
永倉さんが右手を顔に当てた


「すっすみません!!」


頭を下げる私に近づくと

「サクタ!お前、なかなかやるな!
今度、試合してみるか!?」


すでに、3度勝ってますが?


「ははっ ぜひ…」


これまた何度目だろうか、ガッツリと
肩を抱かれた


これ、ろくなこと言わない合図だからね


「3人で飲みに行かねえか?」



ほらね



「私…お酒得意じゃないので」


「ならよぉ 俺んち遊びに来いよ!
子供が産まれたんだ!!」


「!!!おめでとうございます!!!
行きたい!子供みたい!!」


「よし!じゃあ!今からいくぞ!!」


「今から!?」


「許可とってる」


「箒、片付けてきますね!!」




原田家



「かわいい~」


小さな赤ちゃんが、原田さんとおまささん
2人のいいとことった顔立ちで
将来モテるだろうと、思った



「永倉さん!見て下さいよ!
手!ちっちゃあーい!」


「本当だな!小せぇな!」



いつの間にか、永倉さんとの距離は縮まる


原田さん、天才か!?



屯所に戻ってからも


寝る前も



原田さんちの茂君の話題で盛り上がる



大丈夫そうだ


なんとか、やっていけそう




ガシッ


「サクタ!また、行こうな!」


肩を抱かれ、固まる


「……ハイ」



やっぱり、無理かも



灯りを消して

どうにか、顔を見られずにすんだけど

熱い 熱い 顔から火が出そうだ









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